内向的人間に関する誤解

私たちが考える「内向型」のイメージは、実は正しくないことが多い。

*本記事は主にペニンシュラ大学のAdam M. Grant氏の記事「5 Myths About Introverts and Extroverts」、Carolyn Gregoire「6 Myths About Introverts To Stop Believing」を参考にしている。

内向型は希少種か

「内向型は人口の25%」と言われることがあるが、これは古いデータだ。ある研究者による、実際の統計に基づかない「憶測」の数値である。

1998年のMBTIの調査では:

  • 外向型:50.7%
  • 内向型:49.3% 

男性:外向型 45.9%, 内向型 54.1%
女性:外向型 52.5%, 内向型 47.5%

ただしアメリカ人を対象とした統計であることに注意。

一般的に、内向型の比率はほぼ50%であるとされている。

内向型は人と接するのが嫌いか

内向型は必ずしも孤独を求めているわけではない。

「外向型は他者との関わりによって充電し内向型は孤独によって充電する」という通説は実は間違いで、内向型でも他者との関係から「充電」している。「孤独によって充電できる」なら一生無人島で自家発電するのがベストとなるのだが内向型はそうしない笑

統計では、内向型は外向型と同程度の時間他者と関わっており、それを楽しんでいるとされる。

外向型も内向型も他者との繋がりを求める点で変わらない。H. D. ソローもけっこう村に出かけてたしね。内向―外向の違いは「感度」にある。内向型は少しの刺激で十分。彼らが孤独を求めるとき、それは「もうお腹いっぱい」という合図なのだ。

by Liz Fosslien and Mollie West

内向型は恥ずかしがり屋か

人と話すときにどもったり、震えたり、赤面してしまうのがシャイである。私たちは内向型をシャイと関連付けたり似たようなものと考えることが多い。

しかしそこには明らかな違いが存在する。内向―外向は人々の生まれつきの素因である。一方シャイの原因は「社会不安」、つまり恐怖が原因であり、後天的である。内向性は生涯変わらないし直す必要もない性質だが、シャイは場合によっては治療された方が望ましく、またあるきっかけで改善されることがある。

現代科学では、内向型とシャイは異なる概念だと考えられている。シャイな外向型、シャイではない内向型も存在する。内向―外向とシャイはまったく違う性質なのである。

内向型は演説恐怖症か

内向型はスピーチ、プレゼン、演説などの発表が苦手と考えられることが多い。事実、内向型は外向型よりもそういった状況に不安を覚える傾向がある。しかし発表などにおける不安の大部分(ある研究では84%)は内向―外向と完全に無関係であるとされている。不安の原因はそういった素因よりも、日常的に不安に苛まれているか、観客が自分に敵対的であるかどうかに影響される。

内向型でも不安なく発表できる人は多く、外向型でも条件によっては極端な不安に陥ることがある。また内向型は周到に準備をするため、外向型よりも良い発表をする傾向があり、むしろ外向型よりも「プレゼン上手」と言えるかもしれない。

内向型はリーダーに不向きか

アメリカの統計では、96%のリーダー・経営者は外向型である。上級管理職の65%が内向型はリーダーに向いていないと考えており、有利だと認めるのは6%しかいない。

しかし内向型がリーダーに向いていないわけではない。外向型と内向型は同じように成功を収めることができる。従業員が受け身の場合は外向型の方がリーダーに適しているが、従業員が積極的な場合は内向型の方が適している。外向型では意見が衝突し部下が嫌気がさす傾向があるからである。

内向型のリーダーは部下の言うことを注意深く聞き、適切に指導する傾向がある。内向型であっても優れたリーダーになりうるのである。

内向型は人脈に乏しいか

たぶん間違いなく、外向型の方がフェイスブックの友人数が多いだろう。彼らの人脈は「広い」。しかし人脈の「質」はといえば、内向型の方が良い場合がある。

外向型は対人関係を持続できない場合が多い。意外なことだが、外向型は他者に対して否定的な感情を抱くことが多い。また仲間との関係に問題を生じる場合が内向型と比べ(わずかに)多い。外向型は第一印象の評価は高いが、長期間では信頼を失うことが多い。

長続きする関係は内向型が得意のようだ。フォーブス誌にあがったもっとも人脈がある人物は内向型のエンジニアだったという。内向型特有の控えめで「ほどほどの」関係の方が持続するということかもしれない。

内向―外向の判断は簡単か

難しい。内向型は隠れ蓑をつくる才能があるからだ。

Susan Demblingは「ほとんどの内向型は外向型のようにふるまうのが上手だ。……それはショーのようなものだ。外では明るくふるまうことはできるが、家ではそれだけ休憩しなければならない。」というようなことを言っている。

日本はアメリカと同様「外向型」が理想とされており、ニセ外向型は多いものと思われる。教室や職場で明るくふるまっている人でもオフの時間は静かに読書をしている、というケースはよくある。簡単に「あの人は外向型だ」とはいえないので注意しよう。

まとめ

イメージとかなり違っていたのではないでしょうか。私自身も内向型だけど、今回調べたことは驚くことも納得できることも多々。

特に「シャイ」と「内向型」の区別ははっきりさせておく必要があると思う。シャイは病的だが内向型は病的ではない。シャイは後天的だが内向型は先天的だ。私たちが内向性に対して不健康や欠点のようなネガティブイメージを持つのは、シャイと混同してしまっているからだろう。

内向型と外向型という指標があることはおもしろいことだ。内向型の人と外向型の人では脳の回路が違う。脳が違えば、世界も変わってくるだろう。私たちにとっての世界は、おのおの個人にとって別々なものなのかもしれない。

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