よい文章とは何か

世の中には二通りの人間がいる。「自分は書ける」と思っている者。「自分には書けない」と思っている者。そしてほとんどの場合、両方とも間違っている。

「現実には、ほとんどの人が(良くも悪くも)中程度書けている」というのが作家であるANN HANDLEY氏の主張だ。

良い文章とはどのようなものだろうか?

ANN氏の9 qualities of good writingという記述がおもしろかったので、要点をかいつまんで引用する。

1.良い文章は読者の質問を予期している。
  • 良い文章は書き手ではなく、読者のために奉仕する。
  • 良い文章は読者が読んでいるときにどんな疑問を持つかを考えている。
  • 疑問を問われる前にあらかじめ答えている。
  • 良い書き手は(とくに自分自身の作品について)天性の懐疑主義的である。読者の視点からつねにものごとを考える。この執筆が読者にどんな経験をもたらすか? 読者はどんな疑問を抱くか?
2.良い文章はデータに基づいている
  • データは文章の信頼性を高める
  • 事実に基いて内容を記述すること。データ、研究、事実確認、キュレーションなど。
  • もし何を考えているかを話すのであれば、なぜそう思うのか確固とした理由がなければならない。
3.良い文章は良い教えに似ている
  • よく説明すること、物事を少しでも明瞭にすることに努める
4.良い文章はすべてを語る
  • 良い文章は反対的な観点をすべてつぶす。
    (ある事実を反証するものは1つずつ否定する)
  • 信頼性を高めるためには、反対意見が存在するという事実を無視しないこと。
5.良い文章は書き直しの結果である。
  • ライティングは過酷な仕事である。最初のクソな下書きを書くのはしばしば鬱。
  • ダメな文章から、ちっぽけな文章から始めていく
  • マーク・トウェイン「書くことは簡単だ。君がしなければいけないのは、間違った言葉を削るだけだ」
6.良い文章は数学に似ている
  • 文章に読者にソリッドな印象を与えるような、論理と構造を持たせること。
  • 良い文章は考えられているよりも論理的である。
  • 良い文章は三角法や代数のように、教授可能。
7.良い文章はシンプルだが、単純化しない。
  • 優れたコンテンツは、複雑な物事を解体して理解を容易にする。
  • 専門用語ではなく、人々に伝わる言葉で説明する。
  • 「シンプル」は「知的レベルを下げる」ことではない。
  • 「読者が何も知らないと想定しろ。だが読者がバカだとは想定するな」
8.良い文章は過去言ったことに執着しない
  • 過去の発言にとらわれない。
9.良い文章家はバカではない
  • 良い文章家は概して自分を作家と呼ぶことを愚かだと感じている。
  • 良い文章家ほど、自分を否定しがち
おまけ:良い文章家は良い編集者を持つ
  • 栄光には陰の立役者がいる

まとめ

特に気に入ったところについて。

読者のための文章

……言うのは簡単だけど、実行するのは難しい。

文章を書くのは大変

文章作成は“hard work”だ。良い文章はあっさりと生みだされるものでもない。何重にも及ぶ校正の賜物なのだ。

良い文章はロジカル

良い文章はロジカルだ。本多忠勝は文章は「第一に論理、第二にリズム」と言っているが、論理的な整合性のない文章は読むに耐えない。

また、文章が構造化されておらずにあっちへ行ったりこっちへ来たりするような文章も疲れるものである。

ほとんどの読者は虚空を舞うような文学的実験を求めていない。がっちりした建築物のなかを案内されるのを好むのだ。

読者をバカにしない

読者は何も知らないと思え。だが読者をバカと思うな
Assume the reader knows nothing. But don’t assume the reader is stupid.

Ann氏の文章で特に気に入ったのは、彼女のジャーナリズムの教授が言ったという「読者は何も知らないと思え。だが読者をバカと思うな」である。読者を子供扱いするようなライティングが多すぎると私は思う。

 

そんなわけで、ブロガーやライター諸氏は参考にしてはいかがでしょうか。

(しかし「○○個の理由」って絶対最後は内容が薄くなるよね)

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