「矛盾する階級」とは何か

ある英語論文を読んでいると、「矛盾する階級位置Contradictory class location」という言葉にあたった。なんじゃそりゃ、と思ったので調べた。調べたのでまとめる。

提唱者:Erick Olin Wright(アメリカのマルクス主義者)
提唱年:1970年代
目的:労働者と資本家の間の人ってなんなの
まとめ:資本家、プチブル*、労働者のの人たちについて

ライトの階級分類

  • ブルジョア階級:イデオロギーの生産過程全体に対するコントロールを行う
  • 矛盾する階級:ブルジョアイデオロギーの構築や普及に関わるが、イデオロギー装置全般のコントロールには関わらない。
  • →:イデオロギー装置や構築や普及に関わらない。
わかりやすい学校組織の例:
  • ブルジョア階級:文科省、教育委員会
  • 矛盾する階級:教師
  • 労働者階級:清掃員、給食のおばちゃん
矛盾する階級の3つの具体例

1.管理者、監督者Manager:資本家とほとんど変わらない情操の管理者から、中間管理者、テクノクラート、労働者階級に近接する職長までを含む。労働者のように搾取されるが、資本家のように支配・管理を行う。
→労働者と資本家の間

2.半自律的な被雇用者Semi-autonomous wage-earners:実験室の研究員、高度な技能を持つ熟練工。生産手段を持たないが、生産過程の大部分をコントロールできる。
→プチブルと労働者の間

3.小規模雇用主Small employers:直接生産者である一方、搾取者でもある。
→資本家とプチブルの間

*注

  • 資本家:自己増殖する価値としての資本を形成し、産業資本家は、両要素を結合し、剰余価値を搾取しようと意思する人格
  • 労働者:生産手段を持たない人。資本家に労働力を売らなければならないため資本家に搾取・支配されている。
  • プチブル:わずかな生産手段を私有する者を指す。自作農や商店主の他、知識を切り売りする弁護士や医師などの専門家、才能や技能を切り売りする芸術家や俳優も含む。

まとめ

たしかに「この人労働者でも資本家でもないな」という人はいる気がする。「資本論」では資本家―労働者(あとプチブルと地主)でモデル化されてるけど、今のマルクス主義は進歩してるんだなーと思いました。

医者が生産手段を持っていて研究員は生産手段を持っていないというのはおもしろい。たぶん勤務医は「半自律的~」に入って、開業医はプチブルというように別れるんだろう。勤務医と開業医で年収が数倍違うのは、階級の差異のあらわれなのかも。

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