日本企業の搾取率は300%

知人はハウスメーカーの営業をしているのだが、この前5000万円の契約をとったという。めでたい話だ。さぞ臨時報酬が入ったのだろうと問うと、20万円程もらえるという。私が驚きながら「少ないなあ」と言ったら嫌そうな顔をしていた。ああ、コミュ障の私笑

しかしさもありなん。労働者は自分の成果を自分のものにすることはできない。君が作りあげたもの、達成したこと、あげた利益はすべて企業のものになる。企業はそれを一度すべて君の手から奪って、それから労働力の対価としての給料を再分配する。

「会社で働く」ことは会社に利益をもたらすことである。自分の利益のためではない。営業成績をどれだけあげても君の給料はたぶん数百万円、よくて数千万円だろう。なぜかといえば君が経営者に売っているのは「労働力」であり、それが生みだす生産物ではないからだ。

その証拠に、君の給料は何時間会社で労働者として過ごしたかによって決まる。労働契約とはそういうものだ。これは悪いことばかりではない。成果をあげないときでも給料がもらえるし、残業代を貪る「だらだら残業」なんてものが生まれるのもこのおかげだ。

企業はどれだけ君の稼ぎを奪うか

マルクス経済学では剰余価値率という指標がある。これはようするに、稼ぎのうちどれだけが労働者に還元される(給料となる)か、資本のもとに渡るかの割合を示す。これは「搾取率」とも言われる。

日本の剰余価値率について、Wikipediaでは以下の記載がある。

現在の日本では、剰余価値率は低いときでも300%、高いときでは400%を超す。

出典は法律文化社の『剰余価値率の実証研究』となっているが、 読んでいない。四半世紀前の本に4000円も出せない笑

剰余価値率300~400%とはどういうことか。

このことは、資本家階級(ブルジョアジー)による搾取をなくすのならば、労働日をただちに現在の4分の1ないし5分の1にすることができるということを意味する。

つまり一日8時間働いたとしたら、その成果のうち1.6~2時間しか君の給料にならないということだ。ひえーっと思うね。

図示

この画像は剰余価値率300%の場合。

でも300%ってのは何かの冗談だと思いたい笑 昨今のデータでは200%程度という研究もあるし、最近のアメリカでも300%は上回らない。もう少し調べて、違ってたら訂正します。

封建農奴の方がまだいいかも

搾取率という点だけ考えれば、江戸時代の農民の成果の半分を奪う五公五民(これも史実ではなくもっと緩かったようだが)とか、週に何度か封建領主のもとで働くヨーロッパの封建農奴制の方がまだ善良のように思える。

資本家は悪辣か?

気をつけてほしいのは剰余価値が全部資本家の高級車や豪邸に消えるわけではないということだ。企業は絶えざる競争に晒されている(日本の大企業は「仲良しクラブ」だが)ので、そんなことをすれば潰れてしまう。資本家は贅沢な暮らしをする一方で、新規事業や企業買収、設備投資、人員増大などの再投資に資金を回す(拡大再生産)。それによって現代の効率的な生産システムや科学技術の進歩が促進された。

悪辣な資本家が労働者を搾取しているのではない。資本家は無限に自己増殖しようとする「資本」のコマ(人格化)であることに注意しよう。資本と資本家の区別はマルクス経済学で非常に重要だ。資本主義を回転させているのは「資本」それ自体であり、経団連でもユダヤ人でもレプタリアンでもない。

 

終わりに

企業丸儲け。

労働者は働いた成果の20~25%しか受け取っていない。しかもそのわずかな賃金でさえどこかへ消えてしまう

労働者は搾取されているのになぜ働くのだろうか。そうしないと生きていけないからだ。労働者の「自由」は資本家を選ぶことを可能にするが、労働者という身分から解放される自由はない。持つものが持たざるものを支配する。

資本主義はひとつの階級制度なのだ。言ってしまえば、現代は賃金奴隷制wage slaveryの社会なのだ。

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