日本の商品が高い理由

日本の商品が高いのは「見えない消費税」のせいだ。

コンビニへ行くとびっくりする。ポテチが一袋、150円以上する。カップラーメンは180円。かつてこれらは100円で売られていた。そして現在では60gのポテチは、かつては(だいぶ前だが)90g入っていた。計算すれば2.5倍以上高くなっていることになる。

コンビニのパンは驚くほど貧相になっている。一見ボリュームがあるようだが、電子レンジでチンするとへなへなのぺしゃんこになってしまう。

もちろん私はコンビニではなくスーパーで食材を買うようにしている。ただ、スーパーの価格も高くなっている。たとえば日清の「サッポロ一番塩ラーメン」。昔は五袋200円程度だったと思うが、しばらく見ないうちに400円近くになっている。おいそれとは買えない価格だ。

なぜこんなことになったのだろうか。

高すぎる日本の物価

まず日本の物価はどれほど高いのか。

マーサー 『2017年世界生計費調査‐都市ランキング』によれば、東京の物価は世界3位

驚くべき数字だ。東京よりも上位には香港とルアンダがあるのみ。富裕層が集まり、経済的に成功した都市であるスイスやシンガポール、上海よりも高い。

日本の商品価格はオランダの二倍

東京以外はどうなのか。少し古い本にはなるが、ウォルフレンの著書「日本という国をあなたのものにするために」におもしろい記述があったので見てみよう。

私は一九九九年にちょっとした実験をしたことがある。オランダの小さな町でさまざまな食料品や日用品を買い、一か月後に茨城県の小さな町でまったく同じ品物を買ってみたのである。驚いたことに、日本で支払った代金は、オランダで払った額のちょうど二倍だった。日本の給料の方がオランダより少し高いのはたしかだが、この差はさほど大きいわけではなく、まちがっても二倍ということはない。

……日本の平均所得に照らしてみると、日本の消費者は不当に搾取されている。食料、住居、娯楽の分野でもそうだし、さまざまな工業製品にしても、日本のメーカーは同じ製品を海外の消費者には日本よりずっと安い価格で提供してきた

為替の関係もあるだろうが、二倍というのは恐ろしい。オランダに行けば何でも半額セールなのである(オランダに住みたい……)。

超高額な「消費税」

商品はふつう、ときがたつにつれて安く消費者に提供されるようになる。企業間の絶え間ない競争、産業技術の発展によって、商品は安く高品質になる――それが「市場原理」だ。しかし現実には何もかもが少なくなり、何もかもが高くなっている。なぜなのだろうか。

まず第一に、競争がないこと。競争がなければ企業は価格を好きなだけ操作できる。日本では「談合」は当たり前だ。少し前にあった自動販売機やカップラーメン等の足並みをそろえた「一斉値上げ」は明確に談合だ。

日本は法治国家ではないので談合やカルテルが許容されているが、海外では容赦なく捕まっている。

「過去5年で、カルテルや談合で投獄された日本人は30人を超える。つい最近も、日立オートモティブシステムズがショックアブソーバーにおける価格操作を認めて約56億円の罰金を支払うと発表した」「米司法省が日本企業を特にターゲットにしているというわけではないと思いますが、数字を見れば、日本企業や日本のビジネスパーソンが他のいかなる国よりも反トラスト法の対象になっているというのは事実です。本当に理解しがたい、信じられないほどの数ですよ。」(引用元

日本企業は仲良しクラブで競争がない。国際的な競争力が落ちているのもそのせいだろう。国際経営開発研究所(スイス)の世界競争力年鑑2017年では日本は26位。とてもGDPが世界3位の国とは思えない数字だ。

ウォルフレンは「消費財の価格が操作されている」とし、以下のように述べている。「ほとんどの日本人は、自分たちが払っている消費税は五%だと思っているが、高価格という形で負担させられている実際の消費税は五〇%近くにのぼり、場合によっては一〇〇%に達することもある」(出版当時の消費税は5%)。「日本の消費者市場で高価格が保証されているのだから、日本企業はふかふかのクッションの上にいるようなものだった。」

このように、商品の価格が高いのは大企業の「儲け」のためなのである。

経営の悪化は下請けが負担

ウォルフレンはさらに、「そのうえ、その下には厚手のマットレスが二枚敷いてあったといってもよい。下請けからの部品調達の比率が欧米の工業国よりはるかに高いため、生産コストの調節がしやすかったのだ。つまり、経営が苦しくなると下請けにしわ寄せすることで生産コストを削減できたのである。」と述べている。

こうして考えると、中小企業に「ブラック」や「低賃金」が多い理由がわかるだろう。大企業を守るためなのである。そして大企業が決して潰れないのも、「納税」してくれる消費者と、ブラック化する下請けの中小企業のおかげなのである。

まとめ

労働者が低賃金で働き、割高な商品を買うことによって日本経済は回っている。

市場にはほとんど競争がなく、企業は好きなだけ利益をむさぼることができる。経営が傾けば、下請けに負担させて支出を抑えればよい。

このような市場の元では、資本主義の恩恵であるはずの「安くて良い商品」はいつまで経ってもやってこない。私たちが何か消費するとき、そのうちの何割かが大企業のための消費税として消えていく。この見えない消費税が私たちの生活を圧迫し、苦しめている。

正当な競争が実現すれば何もかも安くなるのである。あらゆる商品が「ただみたいな値段」になる。もちろん物価が安くなるだけではない。iPhoneや高級車のような高付加価値の商品も生まれるだろう。それが競争の恩恵である。

正当な競争が実現すれば、失敗した大企業や時代遅れの大企業は潰れてしまうだろう。しかしそのスペースをベンチャー企業や中小企業、かつての下請け企業が埋め、新しい企業が台頭できるようになる。良い商品、安い商品が打ち出され、日本の国際競争力も上昇する。そのようにして「活気ある市場」が生まれ、「経済の発展」が実現する。

現状ではこの国は一部のエスタブリッシュメントのための国だ。大企業は営利企業というよりも、既得権益にしがみつく官僚組織となっている。政官財の「なかよしクラブ」を解体しない限りは日本は沈む一方。庶民の「豊かな生活」は永遠に実現しないだろう。

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