2019-11-09

人間は服従を喜ぶ奴隷である

はてなの匿名ダイアリーを読んでいたらおもしろい記述があった。ちょっと長いが全文引用する。

選択交配とかDNA手術で遺伝子的に奴隷向きのホモ・サピエンス(あんまりやったらもう違う生き物?)を作ってソイツラを奴隷にしたら、この社会から不幸な奴隷はいなくなると思うんだよね。

今どうして奴隷が問題になっているかと言えば、奴隷として生きるのが幸福だって思えない生き物が奴隷をさせられているのが駄目なわけでしょ。

だから頑張って禁止しようとしているけど、今度は普通の労働者が奴隷っぽい感じで働かされてて結局解決してないのが現状じゃん。

そこでもう法学だけじゃどうしようもねえからロボットで補おうっていうのが工学的なアプローチなわけだけど、じゃあここは農学や生物学的なアプローチとして奴隷に向いてる人間を作ろうっていう方向もありなんじゃね?

脳科学や心理学の方向からも人間を調べていって、突然変異なり自然的な遺伝なりで生まれてくる超奴隷向き人間を交配させていって、奴隷になるためだけに生まれて奴隷として生きるのが一番幸せになれる種族「奴隷」って感じのを量産して、ソイツらを奴隷にすればさ、名前だけ奴隷じゃないけど実質奴隷にされてる労働者はいなくなるじゃん。

もしも種族「奴隷」の中で突然変異的に奴隷じゃない方が幸せな「奴隷」が出てきたら、そいつは人間として扱ってやればいい。

人間の奴隷からは想像できないけど、それをみて「奴隷」は羨ましいとは思わずむしろ可愛そうにって思うんだろうね。

デブ専みたいな扱いかな。

どうだろう。

「奴隷」

作ってみないか?
いっそ『奴隷』という種族を作ったらよくね?

おもしろいSFではないか?

実はこれ、すでに起きていることである。

そしてまさに私がながいあいだ悩まされた問題でもあった。

この「遺伝子レベルで改良された人類」への絶望によって、私は社会的アナーキズムに絶望して、ミサンスロピー(人間嫌い)になったのである。

人間の品種改良

まず、人間は家畜化されている。

「家畜化」というと陰謀論めいているが、Wikipediaに書いてあるレベルの話だ。

一般的に、家畜化によって、動物には以下のような変化が生じる。

・気性がおとなしくなり、人間に服従しやすくなる。
・脳が縮小する。
・人間にとって有用な部位が肥大化する。

……このような現象は、人間の保護下にあることで、自然選択の圧力かがかからなくなるために引き起こされるものと考えられる。同様の傾向がヒトにも見られ、これを自己家畜化と言う。(「家畜化」より 強調は私)

つまり、「人間は人間にとって有用な動物になるよう進化してきた」ということだ。人間が「人間に服従しやすくなる」ように、イヌやウシのように品種改良された。

これを自己家畜化という。

農耕社会が加速させた自己家畜化

人間がどの段階で自己家畜化していったのかはわからない。

ホモ・サピエンスは初期の頃から家畜化の特徴であるネオテニーの特徴を持つと考えられている。初期ホモ・サピエンスの骨格を見ても、家畜化されていないネアンデルタール人と比べてもかなりネオテニー化している。

しかし、自己家畜化が加速したのはあきらかに文明以降――つまり農耕がはじまってからだろう。

農耕社会は労働集約型の社会であり、大量の人的資源を要求する。

余剰の富は階級秩序を生みだした。少数の人間が多数の人間を支配する文明社会が生まれた。人間は、植物や動物を支配したあとには、人間を支配するようになったのである。

文明は勤勉で従順な人口を大量に必要とする

「よく働き、従順な人的資源」――これが農耕社会に大量に必要となものである(言わずもがな、現代でも同様である)。そして高い人口密度は、調和的で非攻撃的な特性も要求した。

そこで支配者たちは、従順で勤勉な人間には報酬や地位を与え、繁殖機会を増やしただろう。一方で、服従しない攻撃的な人間には繁殖機会を与えず、殺したり追放をしただろう。

文明社会は時間が進むにつれ、人間を品種改良した。まさに「奴隷人間」を増産していったのである。

「突然変異なり自然的な遺伝なりで生まれてくる超奴隷向き人間を交配させていって、奴隷になるためだけに生まれて奴隷として生きるのが一番幸せになれる種族「奴隷」って感じのを量産して、ソイツらを奴隷に」したわけだ。

このことは、まさに支配者層が1万年間いだいていた願望であり、そして現実に実行していたことなのである。

Dog and Priest – Alex Colville

現代社会が「うまくいく」理由

ゆえに、「社会の矛盾を解決するために人間の奴隷化が必要」なのではない。すでに人間の奴隷化がかなり進んでいるから現代社会が成り立っているのだ。

たとえば、日本人は特に自己家畜化が進んでいる。これは率直に表現すれば、よく品種改良された奴隷種族ということである。日本人がブラック企業のパワハラや長時間労働に耐えるのはそういう理由による。協調性の文化、満員電車などに見られる過密への耐性、災害にあってもパニックにならない、秩序と序列を志向する、これらはすべて「良い奴隷」の特徴である。

だから日本は「平和」なのである。

現代社会の深刻な問題は、「奴隷的人間」の不在ではなく、家畜化がすすんだ現代でもイレギュラーな「非奴隷的人間」が生まれてしまうことだ。

もしも種族「奴隷」の中で突然変異的に奴隷じゃない方が幸せな「奴隷」が出てきたら、そいつは人間として扱ってやればいい。

これが困難である。そもそも社会に必要なのは生産階級であって支配階級ではない。それに、そういう人間は脅威となりうる。奴隷の出自を持ちながら自由を望む人間は、システムに疑問を抱き、それを破壊しようとするかもしれない。あきらかに、そういったイレギュラーは処刑や追放、幽閉、去勢などなんらかの方法で処理するのが適切である。

あなたの先祖が長いあいだ農民であったならば、あなたは立ったまま死ぬよりはひざまずいて生きるほうがよいと決めた人々の血を引いていることになる。(ヘンリー・ハーペンディング「一万年の進化爆発」グレゴリー・コクラン、

家畜化された人類のなかで、なぜいまだに家畜化されない人間がいるのか。

それは「突然変異」なのかもしれないし(自閉症やADHDには非家畜化の傾向がある)、あるいはかつての支配階級の末裔や「まつろわぬ民」――少数民族や辺境民、遊動民や狩猟採集民の末裔なのかもしれない。

いずれにせよ、そういう人間はこの世の矛盾と苦しみを正面から受けとめなければならないだろう。世界は彼らに用意されていないから。

以上、人間はすでに奴隷化された民族であるということを書いた。

正確には、奴隷化と家畜化は違うものなのかもしれない。しかし世の中には「進んで主人に服従し、それを幸福に感じる」イヌのような人間であふれかえっていないだろうか?

過去に何度か書いてきたことだけども、私が人類に、そして大半のアナーキズムに絶望したのはこれが原因である。「アナーキストの銀行家」も同じような理由でアナーキズムに失望していたけど。

結局、個人主義アナーキズムが正しい。

以下の投稿は個人主義の姿勢をよくあらわしている。

ストゼロ飲んで、パチンコして適度に遊べている人は、自分を奴隷とも思わないだろうし。過労死レベルで働く人は崇高な目的のために働くと思うだろうし。

自爆テロをする信者は、神様の奴隷となることを喜ぶだろう。好きなように整形して望みの美貌を維持している人は、望んでそのようにしているのだろう。

なので、他人から見て奴隷のようだとしても、本人が楽しかったらいいんじゃない。。

知らんけど。(anond:20191011002400

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