2019-10-08

ここしばらく、バイクで日本の各地を放浪していた。

まだ10泊ほどしかしていないが、現在までの感想をまとめておく。

バイク上生活について

バイクで野宿を続けていた。

バイクの荷台にホームセンターで売っている箱をくくりつけ、そこにキャンプ用品や食料、着替えを積んで走る。

好きなところへ行き、好きなところで寝た。

このライフスタイルは、夏と真冬以外で、そして雨さえ降らなければ完璧に思われる。

野営地の探し方

宿泊費ゼロ円、完全な孤独。

私は林道や不整地をわけいった先で野宿していた。林道の先にある開けた空き地や川辺など、慣れるとかんたんに見つかるようになった。

コツは、山沿いをグーグルマップでサーチする。主要道路から外れてどこにもつながらない細い道を探す。ここに「ピストン林道」と呼ばれる林道があることが多い。ピストン林道の先には、四輪車が転回するための少し開けた空間か、川沿いならダムがある可能性が高い。そこが野宿に適した場所である。

(林野庁や道路族の利権のために無用どころか自然破壊そのものの道路が作られつづける。私たちはせめて有効に活用してやろう)

実際に泊まったところではないが、一例をあげる。集落を抜けた先にピストン林道がありそうだ。

 

ストリート・ビュー。地図には道がないが、林道が続いているようだ。

 

U字となった川の先の衛星写真。おそらく良好な野営地だろう。

「林道野宿」がすばらしいのは、完全に人間と隔絶されることだ。オフロードバイクでしか来れないところにはヤンキーも警察も来ない(ただし警戒せよ:ハイカーと釣り人はどこにでもやってくる)。周囲にだれもいないのだから、プライバシーもクソもない。焚き火をしてもいい、音楽を流しても良い。裸で踊ってもOKだ。私はしないけど。

野生動物が怖くないか? 虫が気持ち悪くないか? というようなことがよく言われるが、私にとってこの世で生きた人間ほど怖いものはない。また、私たちは忘れがちだが、人間は有数の身体能力と体重を持つ大型哺乳類であり、クマやスズメバチを除けば天敵はほとんどいない。

私は非常に蚊に刺されるほうだが、9月後半の山間や、平地でも10月初頭は大丈夫だった。蒸し暑く蚊の多い夏はキャンプにもっとも向かない季節である。高地や北海道でなければ拷問に近いと思われる。

生活:食事、電気、洗濯、入浴

タイミングが合えば半額弁当や惣菜を買った。スーパーのレンジで温め、冷める前に食べる。

食事:クッカーを携行しているが、洗うのがめんどうであまり使うことはない。肉や野菜はアルミホイルに包み、焚き火やガス・バーナーで調理した。飯盒炊爨はせずにパンやラーメンを食べていた(私はフランスパンが好きで、そればかり齧っていた)。質素な食事だが、寒空の下ではあたたかい飯ならなんでもごちそうである。

発電:バイクにUSB充電をつけた。ヘッドライトの配線から分岐させている。これが二口ついているので、スマートフォンとパワーバンクを同時に充電できる。しかし走行中でないと充電できないため、長距離走行する場合はよいのだが、同じ場所で連泊するときは不便である。連泊するならソーラーパネルを持っていった方がいいだろう。

洗濯:洗濯はしなかった。基本的に3日分の着替えを用意しており、それ以降は下着のみかえてローテーションした。下着はダイソーで上下を買えば220円で済む。自転車旅とは違い、汗をかかないので十分だろう。

入浴:3日に1回程度入った。身体は清拭すればいいが、頭がかゆくなり不快である(坊主にすればいいのだが)。日本の温泉や銭湯は軒並み入浴料があがっているようで、風呂に入るというだけで高くつくのが嫌になる。安くても600円ほどはかかる。高い金を払っても、私はひとりで入る風呂以外は落ち着けないので、さっさと出てしまう。オーストラリアのように無料シャワーがあればよいが……。

バイク上生活のコスト

コストは非常に優れている。私のバイクは1リットルで35kmは走ってくれるから、一日180km走っても1リットル150円として750円ほど。食費は600円ほどなので、その他の出費を加えても、一日2000円もあれば十分生活できる。

バイク上生活は雨が地獄

最大の課題は雨

全身ずぶ濡れとなったときはほんとうに嫌気がさした。夕方、バイパスを走行中、突然の大雨が降った。すぐにやむだろうと雨具を着ないまま強行してしまった。結果、ジャケットも肌着もずぶ濡れになり、全身は震え、寒さでめまいがするほどで、叫びだしたいほどイライラした。ひとまずバイパスを降り、近くにあった寺へと避難した。寺の軒先の下でジャケットを干し、肌着を替え、ダウンジャケットを羽織り、バーナーでお湯をわかして暖をとり、なんとか体温を回復させた。

かなり大きな寺だった。

ジャケットが乾くまで2時間ほどぼんやりとしていると、だれかがやってくる。ジャージを着た坊主頭のおっさんだ。こちらを睨みつけている。私は居心地が悪くなって、出ていかなければならなかった。まあ、想像通りではあった。雨にこごえる旅人が寺にやってきたら、睨んで追いだせ! これが日本仏教である。まあ、私は鬼や悪魔であるのでどうでもいい。

結局、その日は家まで近かったからそのまま帰宅した。あのあとテント設営をしようというなら……疲弊しきっていただろう。

雨具には投資しよう

そういうエピソードがあったのは、私が良い雨具を持っていなかったからである。日本ほど雨の降らないアメリカのバイク長期旅行者のサイトを見ても「雨具はケチらず投資せよ」と書かれている。バイクに乗っているときの風雨は台風並で、チープな雨具では必ず浸水する。ゴアテックスのバイクジャケットは必須……なのだが、非常に高い(3万円ほど)ので買わずにいた。

グローブとブーツはゴアテックスのものを使っていた(いずれも中古で2000円ほど)。グローブはバイク用で、完璧だった。まったく浸水せず、しかも蒸れなかった。ブーツはというと、完全に浸水して、歩くたびにじゃぽじゃぽと音がなった。これは雨具をしっかり着用していなかったからだろうし、そもそもタウンユース用だからかもしれない。

雨の日のテント設営はしたことがないが、林道でテントを張る気にはならないだろう。高架下でテントを張るか、公園の東屋、無人駅の待合室などで、マットと寝袋だけで寝るのが良いと思われる。あるいは諦めて、漫画喫茶や素泊まり宿へ避難するか。

しかしながら、雨の日と、夏や真冬を除けば、何日だって放浪できる――それがバイク上生活の実感である。

バイク上生活のトラブル 恐怖のあいつ

私が経験した最大のトラブル、それはヘルメットに「あいつ」が入っていたことだ。湖のほとりに泊まったとき、たまたまヘルメットを地面においたままだった(上の画像参照)。出発して2時間ほど走ったところだった。視界の隅に動くものがある。バイザーの下、口元の部分だ。それがカナブンやなにかであれば手で払うだけなのだが、そいつを認識した瞬間、パニックになった。いや……パニックになりすぎて逆に冷静になった。ムカデだったのである。

バイクを路肩に停め(バイパスだったがしょうがない)、ムカデを追い払わなければならなかった。まずいことに、ムカデは明るいところを嫌うのか、バイクの内装の隙間に入ったままなかなか出てこなかった。水をかけたり、ヘルメットを振ったり叩いたりしたが出てこない……。結局、少し放置したら出てきたので手で払ってやった。もちろん手袋はしたままだ。

教訓:ヘルメットは地面に置かない。

カマキリくらいならかわいいものだが。

最大のトラブルはこの程度。マシンのトラブルはない(過走行と言っていいバイクだが)。暴漢や警察、妖怪に襲われるということもない。バイク上生活は雨とムカデに注意、である……。

終わりに:ライフスタイルの脱構築

バイク上生活には、最高の自由がある。

そんな気がする。さまざまなしがらみから解放されて、自分の力で、自分の意志で生きている実感。言ってしまえば、野宿や放浪の生活は、文明社会がつくりあげた虚構の世界からの解放をもたらしてくれる。

私は隠者の生活が好きで、よく調べている。テッド・カジンスキーとクリストファー・ナイトはともにアメリカの元隠者だが、彼らには共通点がある。森のなかで暮らしているときに「完全な幸福」を感じていたということだ。

彼らには毎日することがあった。テッド・カジンスキーは狩猟と採集のために出かけなければならなかったし、薪割りや革靴の制作などしなければならなかった(参考「テッド・カジンスキーのインタビュー」)。彼は日々の労働に追われているうちに、まったく将来への不安や死の恐怖がなくなったという。

クリストファー・ナイトは、週に一回の空き巣によって食料を得ていたため、さほど労働はなかったようだが、熱心に盗んだ本を読んで時間を過ごし、あるいはまったくなにもしないまま座って何時間も過ごすこともあったという。

彼らはだれにも支配されずに、ただ自分の意志にしたがって、自分の生活のためにだけ働いた。このような生活がストレスフリーであることは想像に難くない。

私たちの生活は、賃金労働者であればだれかに支配され、だれかの意志に従って、だれかの富裕な生活を維持するための道具として働くことになる。そこにはあらゆる種類のノイズがある。目覚まし時計、上司の声、同僚のおしゃべり、テレビの音、宣伝広告、スピードと効率の単調な労働、納税通知書。

ところで、考えてみよう。満点の星空の下での焚き火。眠くなったら寝る。朝日のやわらかな光で目覚める。テントを出ると、ピンと張った空気。ただ自分ひとりと自然があり、風がほほをくすぐり、鳥が歌う。コーヒーを沸かして、今日一日をどうするか思案する。すべてが自然で、すべてがぴったりあてはまるような感覚。

――私のバイク上生活は短期間だし、文明社会の恩恵を受けているから、テッドやナイトのような「完全な幸福」に至ることはない。しかし、賃金労働者としての生活を相対化することができたし、そのような生活のもつ幸福感の片鱗はあじわうことができた。

そして、なんとなく世間の抑圧という網の目を創意工夫によって「出し抜く」ような、そういう反逆的な楽しみも味わえている。家庭や会社にしばられたふつうの人間たちには永遠に味わえない自由である。

ともあれ、バイク上生活をもう少し装備を改良しながら挑戦したいと思っている。あとは、厳冬期の野宿にもチャレンジしてみたい。

補遺:バイク上生活 持ち物リスト

決してベストというわけではないが、まずまず快適に放浪できるようになったので、暫定的なリストを作った。

キャンプギア

基本的にキャンプギアはウルトラライトで揃えている。

  • テントNaturehike VIK 1 人間が一人寝るには十分な広さ。設営・撤収は簡単で、とにかく軽量コンパクトだ。ただし、シングルウォールなので結露がひどい。Aliexpressで1万3000円。
  • マットEXPED Downmat HL 軽量コンパクト、-32℃対応の超断熱性。日本では完全にオーバースペックだが、セールで2万円と安かったので買ってみた。とにかく背中が温かい。やはり狭いのと、薄手なのでパンクが不安。
  • 寝袋Naturehike CW300。Aliexpressで8000円ほどと安価だが、なかなかどうしてあたたかい。デザインもよく、ゆったりとして寝心地もいい。ただし羽抜けはそれなりにある。アマゾンなどではCW280の方が人気で私も所有しているが、マミー型の恩恵か、あきらかにこちらの方が保温性が高い。
  • ダウンジャケット:モンベル製のウルトラライトダウン。5年ほど前に中古で1万円で買ったもの。とにかく便利である。コンパクトであたたかい。
  • ダウンフードAegismax製のもの。首から上が寒いときに着用。Aliexpressで2200円ほど。
  • ランタン:ランタン・Bluetoothスピーカー・パワーバンクを兼ねたものを使っていたが、白色LEDがどうしても好きにはなれないのと、かさばるためNaturehike製のランタンにアップグレードした(10000mAhのバッテリー内蔵。無段階調光。スピーカー機能はない)。4500円と比較的高価だが、やわらかな暖色光で落ち着く。
  • チェア:前から使っているヘリノックスのコピー品。当初は携行しなかったが、やはり椅子がないとくつろげない。一度フレームが折れたもののごまかしながら使っている。
  • ヘッドライト:だいぶ前から使っているジェントス製のもの。なぜか一点集中のライトを買ってしまい、首が疲れる。
  • クッカー:スノーピーク製のエントリーモデル。ふつうのクッカーである。蓋がフィットせずにガコガコという、焦げ付きやすい、インスタントラーメンは割らなければいけないなど不満な点はあるが機能は十分。3年前に私が買ったときは2000円だったが値上がりしている。
  • バーナーイワタニのジュニアガスバーナー。定番。スノーピークのクッカーに収納できる。使用後は非常に熱くなるので火傷に注意。
湖畔にてテントなし泊。このときは枕にEXPEDのMega Pillowを持参していた。

必需品

  • ライター
  • ガス缶
  • パワーバンク:10000mAhはほしい。
  • アルミホイル:万能調理器具。食材を包んで焚き火にぶちこむ。
  • ウェットタオル:手や顔を拭く他、クッカーの清掃に。大判のものがいい。
  • 水:2リットルを常備していたが、1.5リットルで十分かもしれない。
  • ポケットティッシュ:「キジ撃ち」用。使用後は燃やす。
  • ペットボトルキャップのスプレー:ダイソーに売っている。これで頭に水をかけるとさっぱりする。
  • 着替え3日分
  • フェイスタオル:バスタオルはいらない。
  • ハンドタオル:テントの結露を拭くためにたくさんあった方がいい。
  • 雨具:高性能のものを……。
  • 工具:10mm, 12mmのメガネレンチ。8mm, 10mmのレンチ。あとはモンキーレンチ、プラスドライバー、マイナスドライバー、タイラップ、ビニールテープ。これで大部分は対処できるが、パンク対策はなし。空気入れくらいはあった方がいいかもしれない。

以下はオーガナイザーに入れるもの。

  • ひげそり
  • 歯ブラシ
  • 歯間ブラシ
  • ペン
  • 割り箸
  • 調味料:塩コショウと味の素をそれぞれ小瓶に入れている。
  • ハサミ
  • 綿棒
  • 耳栓
  • 虫除けスプレー
  • メガネ拭き

なくてもいいが、あったら便利

  • サングラス:ダイソーにメガネの上にかけられるものがあって使用していた。が、どこかに落とした……。
  • パソコン:AC電源の確保が課題。Bluetoothキーボードがあれば不要か。
  • 枕:ジャケットを丸めて枕にするようになり不要になった。
  • テーブル:地面に置いて困るものがそれほどない。
  • ドライシャンプー:ヘルメットの関係で頭がかゆくなる。高い銭湯を使わないためにも、次は試してみたい。
  • エッグホルダー:自炊に卵が欲しくなることが多い。次回は持っていこうと思う。
  • フォームマット:エアーマットは設営・撤収が手間だし、パンクに気をつかうので、仮眠時にウレタンパッドが別途あると便利だと感じた。理想はサーマレストのZ-Liteだが、ちょっと高い。
  • サンダル:頻繁にテントに出入りするなら必要だが、私は寝るときと起きるときしかテントに出入りしないので不要だった。

以上、さまざまな商品を紹介したが、「There is no “ethical consumption” under capitalism」ということで、基本的にはすでに持っているものを工夫して用いた方がいいだろう。

補遺:理想のバイク上生活バイクとは

私が使用しているのはヤマハのTW225という小さなバイクだ。これにハンドガードとスクリーンをつけて走行快適性を高めている(テネレ225と勝手に名付けている)。このバイクの利点は燃費がいいこと、軽量であること、走破性が高く足つきがよい点にある。

そもそも開発コンセプトは太いブロックタイヤで山遊びを楽しむ「プレイバイク」で、ツーリング用途は考慮されていないが、著名な冒険家である風間深志氏がカスタムしたTW200で北極に到達していた(ただ、「もしXL600ならエベレストに登頂していただろう」などの下馬評あり)。

「旅バイク」というとBMWのR1250GSやホンダのアフリカツインなどのアドヴェンチャーバイクを想起する人がいるかもしれないが、あの手の重量バイクは大陸横断のフラットダートには向いていても日本の林道には適していない。また、超長距離を一気に駆け抜けるのは得意だが、テントを設営して、次はコンビニへ行って、次はダイソー、次は温泉……というように一日に何度も乗降するのはしんどいバイクである(サイドスタンドから起こすだけでも気合がいる)。まあ、身長が190cm以上あって自転車のように乗りこなせるなら問題はないが。250ccのアドヴェンチャーバイクについても、車重や走破性を考慮するとあまりよい印象はない。

私は当分TW225に乗るつもりだが、もっとバイク上生活に適していると思われるバイクがある。ホンダのリード125だ。メットイン容量は37L。サイドバックとリアボックスをつければ140Lほどの積載が可能だろう(これは私のバイクの積載量の倍以上だ)。タンク容量は8L、燃費は40km/l以上で、300kmの巡航は余裕。スクーターなので足元が汚れず、スクリーンをつければほぼ走行風から守られる。軽量で足つきがよいため、林道もそこそこ走れるはずだ。

地味なバイクだが、その分ステルス性が高い。

難点は原付二種なので高速道路や自動車専用道路が使えないところだ。自動車専用道路なら捕まっても「間違えて入ってしまった」でなんとかなる……かもしれない。

9 comments

  1. 良い試みだと思いますし、孤独は人生の中で最高の学びを得る時間であると思います。ただ御厨さんがもしずっと隠遁した生活を送るつもりでしたら、それは私はあまり賛成できません。真の自己を見つけるためには孤独が必要です
    が、また同様に自分自身を映し出す鏡としての他者の存在も孤独と同じぐらい必要なものだと思うからです。もし御厨さんが完全に他者と隔絶したライフサイクルを確立してしまえば、それはおそらく集団に埋没して自己を喪失するのと同じぐらい有害な結果をもたらすと思います。

    1. そうですね。私もテッドやナイトのような本物の隠者になるには適性が足りないと考えています。
      そもそもこのようにブログを書いている時点で完全な孤独には向いていません。

      私がニートになって感じるのは、「自分を承認する他者」が必要であるのはもちろん、その他大勢の「自分を否定する他者」もまた必要だということです。
      善を知るために悪があるというか、アホな人間に対する斥力が原動力になることがありますね。
      そういった意味で、完全な隠者になることはなく、うまく社会とのバランスをとっていくつもりです。

      バイク上生活は孤独が得られる他に、生活コストや定住の否定という試みでもありますから、ちょこちょこ挑戦していこうと思っています。

      1. 返信ありがとうございます。少しホッとしました、御厨さんの行動力だと本当に実現してしまいそうでしたので。

        私はあらゆる物事の理想的な状態というのはというのは弁証法のような互いに矛盾した二つの要素が両立している状態、単純に両者の中間を取るだけではなく融合し、昇華されているようなものではないかと思います。

        集団に居ながらも孤独である、悪の要素を持ちながらも善である、といった感じです。また悪が存在しなければ善が存在し得ないように両極にある概念というのは一本の棒の両端のようなものですし、一方がなくなれば両方消えてしまいます。孤独であることに崇高な価値を持たせるためには、集団という愚劣なものが生活の中になければなりません、故に完全に孤独を極めてしまえば孤独の意味もなくなってしまうのではないかと私は思います。

        テッドやナイトといった方々は確かに行動力がありますし見習う点は多くあると思いますが、それでも彼らの完全な隠遁した生活は集団の中に溶け込んでしまうのと同程度の現実逃避であるようにも思えます。

        色々偉そうに述べてしまいましたが、御厨さんほどの方が社会と接点を持たないことは大きな損失ですし、私はこれからもブログを書いて頂ければ大変嬉しく思います。

        1. そうですね。
          私も理想的な状態とは行く着くべき静的なものではなく、動的なものだと考えています。
          つねに行動して、無数の諸力に対応しながら、微妙なバランスをとりつづけることが重要なのかなと。

          ブッダが追求したのもそういった状態でしたね。
          涅槃って何があっても、何をしていても完全に幸福な状態ですから、
          孤独に瞑想していないと幸福ではないなら、半端な涅槃なわけです。
          この辺は仏教肯定のショーペンハウアーや仏教否定のニーチェがともに誤解している部分でもあります。

          でも、私はテッドの隠遁については屈折した現実逃避的な部分を認めるのですが(彼は今のところ、精力的な著述家、思想家ですから)、
          ナイトについては本当の隠者適性があると考えています。
          あれはほんとうに独特な人物で、彼の青白い肌を見ても、「掘り出されてしまったモグラ」という感があります笑

  2. バイク上生活、応援しています。これから寒くなりますのでお体に気をつけて。

    1. さすがに家に引きこもってました。
      あの中でテント張ったら本物の勇者か、本物の狂人ですね笑

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